リレーコラム

2014.09
Crew Style伊藤純子

CREW時代に得たもの

会員の皆様こんにちは 日本航空OGの伊藤純子と申します。

CAを経験された方、現在CAをされている方、そしてCAを目指している方
CAという仕事を通した絆で結ばれた私たちが集い、CAという仕事を慈しみ、誇りに思う、そんな人生をともに歩くことを願って、このたび「日本キャビンアテンダント協会」が設立されました。

私がCAの仕事を通して学んだことは、機内業務や接客マナーについてだけではありませんでした。数多くの学びの中で、一番心に残っていることは「どんな場面でも人の心に寄り添うことのできる女性、CAを卒業しても国内外様々な分野で活躍できる女性に」という教えです。女性としての生き方、大切な志を学びました。

また“サービスマナーより大切なことがある”ということも学びました。形よりも大切なこと、それは人の心に寄り添うことができる感性であるということです。感性磨きに近道も王道もありません。それぞれが、自分の人生に真摯に向き合い、困難から目をそらさず、果敢に挑戦を続け、他者から学ぼうとする心が、感性を作り上げていくということを学びました。これらの教えは、私の心に深く刻まれ、私の考え方の根幹と呼べるものになりました。

仕事を通して、女性として目指すべき姿をくっきりと示してくれるCAという職業につけたことに、今も心から感謝し、誇りに思っています。

現在、私はCAを目指す方々のお手伝いを、微力ながらしております。私の教室の門をたたいてくれた方々には、CAという職業を通して私が学んだことをお伝えし、航空会社に合格し、CAという仕事に就いた暁には一分一秒も無駄にすることなく仕事に全力を尽くし、会社を通して社会貢献にも努めてほしいと伝えています。仕事を通して社会貢献をすることが社会人として一番大切なことだと思うからです。

また私ごとですが、この春から、大学院で地球環境学を学んでいます。地球環境問題の第一線にいる研究者の先生方から学び、また、ともに研究するという環境に身をおいています。家庭があり、仕事も抱える私がなぜこのような高いハードルに挑戦できたのかと自分でも不思議に思います。

今、振り返ってみるとこの一年は私にとって“激動の一年”でした。
昨年まで10年にわたり、父の介護がありました。最愛の父との時間が限られていることが判ったとき、後悔のないよう、父との時間をできるだけたくさん持つことを決めました。

その父が昨年他界し、しばらくは涙にくれていました。しかしある日、ふと思いました。私のこの姿を見たら父はなんと思うだろう。CAとして生き生きと働いていた時の私を、とても喜んで見守ってくれていた父は悲しむだろうと思いました。そこで、私は自分の中にあった深い悲しみをプラスのエネルギーへと変換させることにしたのです。いつか私も天に召され、天国で父に会ったときに褒めてもらえるような人生を歩いて行きたいと強く思いました。

この時、CA時代からずっと進学したかった大学院に進むことを決意しました。子供がいて仕事も介護もある・・・と、あきらめかけていたけれど、ここで高いハードルに挑戦することを決めたのです。

マイナスの出来事をプラスのエネルギーに変える力、これはまさにCAという仕事を通して培ったものだと確信しています。私は辛いときには自然と空を見上げています。大好きな空はどんな時も私にエールを送ってくれるからです。

日本キャビンアテンダント協会は、空が与えてくれる勇気、CAという仕事が教えてくれたすべてのことを会員の皆様と共有し、ともに心豊かな人生を歩いて行ける仲間でありたいと思っています。温かい関わり合いを会員の皆様と持ち続けていきたいと思っています。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。
        
伊藤純子さんのサイト「Crew Style」

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